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6月, 2019の投稿を表示しています

【書評】カニバリズム CANNIBALISM! 窓 MOOG COMICS 【レビュー】

このタイトルと表紙通りの本。食人系で統一されている本は珍しい。大体表紙だけなので。黒枠のページから臭う狂気と不快感を楽しもう。書下ろしの鹿を食ったような話が特にハイインパクトだった。 一回読んだら二回目読む元気はなかった… この本の内容を実際に実行した場合、議論の余地なく犯罪である。

【書評】ひとみちゃん 平口広美 けいせい出版 【レビュー】

生命職に溢れる絵柄、よくも悪くも臭いがするような気がする。 昭和の作品なのに、さらっと読めてしまうのはプロットがしっかりしているからか? 巻頭の『その後の戦慄』なんて現在の絵柄でリメイクするととっても面白そう。

【書評】鬼 浄土るる 【レビュー】

何が幸福なのか、何が不幸なのか。 主人公の子豆は、少なくとも一般的な容姿を持ち、日本語を解し、物質的には飢えていない。  難病に苦しみ、愛する家族に看取られながら今死にゆく子供がいるとしたらどちらが不幸なのだろうか? すべてのページがギスギスした不快感があふれている。 展開が読めるストーリーに救いを期待しつつ誰も救われない。 虐待する母親ですら、弱者であろう… 読み応えあります。

【書評】ドミナの玉座、あるいは顔面騎乗主義者の愉楽 春川ナミオ PAN-EXOTICA【レビュー】

春川ナミオという作家を知っているなら細かい事は語る必要がない。 今すぐ買うべきである。 極端に豊満な女性が、小男を虐げるモチーフが大半である。 一見その加虐性は一方向の様に思える。しかし、慈愛に溢れる女神の救いの絵の様にも、 わがままな男性が力ではない何かで女性を操っているかのようにさえ見える。 寄稿の中にもある貴族的マゾヒズムの世界を堪能してほしい。 この画集を見ているときに不思議な体験をした。 映画をBGM代わりに再生していたのだが、その映画の音声が聞こえなくなった。 あまりの視覚の暴力により脳のリソースがすべて消費されたのだと思う。 強いて言うなら、値段が倍でもいいのでもう少しサイズが大きいものが欲しい。