【書評】世界史を大きく動かした植物【レビュー】
- 概論
知的好奇心を十二分に満たす一冊。読み物としても、とても読みやすい。
図表が一切ないが、身近にある食べ物(=植物)を題材にしているので、
読者が容易に想像できるからだろうか?
テンポの良さとトレードオフになるので、意見は分かれそうだが、
説明が省きがちなところがあったように感じる。
- 内容に関するコメント
農耕により、富の独占化が進んだという意見にはとても説得力がある。
ただ、狩猟の分配が平等であったという考えには疑問がある。
狩猟民族であっても分配は不平等に行われていたと考えるほうが自然ではないだろうか?
狩猟による恵みも、平等には分配されなかったが、貯蔵性と安定性に欠ける為、
見た目上平等っぽく振舞わなければなかなかっただけではないだろうか。
おすすめの読者としては、いわゆる完全菜食主義である。
植物も生物である以上、人間とも常に生存競争を実施しているのである。
そしてその生存競争は、決して人間優位でないという事実を認識して欲しい。
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